洗練されたパリの雰囲気の「ディプティック」は、意外な香りながらも、使いやすい香りが揃っています。
あまり知られていませんが、ディプティックにはベチバーの香りが印象的な香水上級者向けのオードトワレがあるのです。
と言っても、大人の男性向けの渋い香りではありません。
ベチバーとローズ、相反するような香料がバランス良く調香されており、ユニセックスで使えるフレグランスです。
今回は、そんなディプティックの「ディプティック ヴェチヴェリオ」をご紹介します。
ヴェチヴェリオの香りの構成
ミドルノート:ローズ、イランイラン、ゼラニウム、クローブ、ナツメグ
ベースノート:ベチバー、ムスク、シダー
調香師:オリヴィエ・ペシュー(Olivier Pescheux)
トップノート
つけたての瞬間は、フルーティーシトラスの甘く爽やかな香りが明るい印象です。
たくさんの柑橘類を切って並べたかのような、ジューシーなトップノート。
ディプティックは、柑橘系の表現が得意なブランドだと思います。(もちろん、ほかの香りも素敵ですが)
ミドルノート
ミドルノートは、フローラルブーケが広がります。
ローズ、イランイラン、ゼラニウムの、ちょっぴりエキゾチックさを感じさせる大人の女性らしい花々を感じます。
イランイランは濃厚な甘い香りですが、なぜか暑い日にもマッチする不思議な甘さです。
南国由来のお花のためでしょうね。
真夏にフローラルをまといたい時、南国のお花が入っているものを選ぶと、気候とのマッチングが良くなります。
ローズはパウダリーで、ブーケの中でほんのりと上品に香ります。
ラストノート
ラストノートでは、いよいよベチバーが現れます。
ミドルノートまでの香りが完全に消え去った後ではなく、ほんのりとお花とスパイスの香りが残っている状態に、ベチバーが優しく重なります。
ここが、ヴェチヴェリオが古典的なベチバーが主役のフレグランスと異なるところです。
ベチバーそのものに残留性があり、作品全体を長く香らせるために使われる香料の一種です。
このため、ベチバーは力強さを感じさせる作品に頻繁に用いられているのです。
ディプティックのヴェチヴェリオに関しては、ベチバーそのものは強すぎず、穏やかで優しいウッディーノートです。
ヴェチヴェリオをまとうベストシーズンはいつ?
甘すぎず、複雑な香りを奏でるヴェチヴェリオを初めてまとうなら、カラッとした春・夏の昼間がベストだと思います。
慣れてきたら、真夏のうだるような暑い日にもオススメしたい使い方です。
ジューシーな柑橘系のトップノートは爽やかですし、ミドル以降も甘すぎないところがポイントです。
肌の露出が増え素肌を見せる夏、肘や膝の内側に、いつもと違う香りをワンプッシュするだけで、あなたの印象がグッと変わります。
また、気温が上がり香りの飛びも早まることで、香りそのものがまろやかになることも。
ウッディー系デビューをするなら、夏がオススメなのです。
ヴェチヴェリオが似合う女性のイメージは?
シトラスとフローラル、そしてウッディーのバランスが程よく取れたヴェチヴェリオ。
これらが混ざり合った複雑な香りは、フレグランスを使い慣れた印象を与えます。
いつものフレグランスに飽きた時、また、他人とかぶらない香りを探している時に選んでみると、あなたの個性を引き立たせてくれそうです。
個人的な印象では、穏やかで落ち着いた香りをまとっている女性は、プライベートが充実しているようなイメージを与えてくれます。
穏やかな香りから、内面の充実やパートナーとの信頼関係を想像させてくれる気がします。
ヴェチヴェリオのラインナップ
ヴェチヴェリオは、オードトワレのみの作りとなっています。
ヴェチヴェリオ オードトワレ
香りの持続時間は、オードトワレとしては長め。
肌質や気候といった条件にもよりますが、4〜5時間ほどは香りを楽しむことができると思います。
落ち着いた香りなので、仕事用に1本あると、香りのローテーションに幅が広がりますね。