ゲラン ローズバルバル Rose Barbare Guerlain

ゲラン

ゲランだけど、ゲランっぽくはない?

販売店舗が限りなく限定されており、なかなか目にすることはないゲランのフレグランスシリーズがあります。それは、ラール エ ラ マティエールラインのフレグランスです。

ボトルも中身もモダンな、ラール エ ラ マティエールラインから、ローズバルバルをご紹介します。

ラール エ ラ マティエールとは

ラール エ ラ マティエールとは、フランス語でL’ART & LA MATIÈREと書き記します。

ゲランの公式サイトの紹介文には「調香師の技と貴重な天然素材が織りなすラブ ストーリー」とある通り、L’ART =調香師の技、LA MATIÈRE =貴重な天然素材が組み合わされた、8つの作品が揃っています。

有名調香師を起用し、厳選した素材を用いたコレクションというわけです。

ローズバルバルもその一つです。

ローズバルバルの香りは?

ローズバルバルは、ゲランの既存のフレグランスでも多数、採用されてきたローズというテーマとなっているフローラルシプレーノートの作品です。
ローズを貴重としたフローラルノートと、シプレーノートの両方の側面を併せ持っています。

ゲラン以外のフレグランスでも、ローズは香水界において定番中の定番ですよね。

そんなローズがテーマのバラ香水の中でも、ローズバルバルはありきたりでなく、過去にあった調香の焼き直しでもない、新しいスタイルのフレグランスに仕上がっています

ローズバルバルの香りの構成

トップノート:アルデハイド、ブルガリアンローズ

ミドルノート:ターキッシュローズ、フェヌグリーク

ベースノート:ハニー、パチュリ、ウッディーノート

調香師:フランシス・クルジャン(Francis Kurkdjian)

ローズバルバルの第一印象は、ヌケ感のあるエレガントなローズ。

アルデハイドが効果的に用いられているためだと想像しました。

この他に、フェヌグリークというハーブと、パチュリが効いてユニークな香りとなっています。

これによって、単にフェミニンなだけの作品とは一線を画しています。

フェヌグリークは食用にも用いられています。

エスビー食品のサイトの解説が詳しいので、一部を引用してご紹介しますね。

スパイスとして用いられる種子には甘い香りと強い苦みがあります。じっくり火を通すと苦みが弱まり、メープルシロップのような甘い風味が出てきます。 また、楕円形の形をした葉には種子と同様に苦味があり、インドや中近東でハーブとしてよく使われます。
出典:エスビー食品のサイトから

甘みと苦味の二面性をもつハーブと言えそうですね。

インドや中近東で用いられるように、香りもエキゾチックな雰囲気です。

香料として使うならば、香りが作品の中でスパイス的な働きをするハーブと言えます。

私の肌の上では、はちみつの甘さはさほど感じられず、ミドルノートでローズの香りが消えた後は、甘みのないクールなラストノートに変化していきます。

天候、気温、私の体調など、いろいろな条件の元で香りを観察してみたものの、甘みが出ないというところは共通でした。

そして気温や体温が高い時ほど、パチュリの深みのある香りがメインに出てくるのです。

ローズの華やかな香りと相まって、これがなんとも癖になるような、エレガントで奥行きのある香りが自分の肌から立ち上ります。

ローズバルバルのパチュリは複雑ではなく、シンプルなところも思い切りが良いと思います。

私がローズバルバルを選んだ理由

自分のために香らせるためのフレグランスとして、私はローズバルバルを選びました。

同じクルジャンの名作、メゾンフランシスクルジャンのアラローズにはない表現です。

こちらも素敵な作品ですが、どちらかと言うと、アラローズは他人のためにまとう、ファッションやメイクアップの延長にある作品だと思うのです。

アラローズを自分自身のためにまとってはいけないという意味ではありませんが、オンかオフかと問われると、私はアラローズをオンの香り、人と会う時の香りに分類します。

同じローズというモチーフをここまで異なる作風に仕上げたクルジャンは、やはり天才調香師なのですね。

ローズバルバルの名前

ローズバルバルを直訳すると、「野蛮なバラ」という意味になってしまいます。

こんなにモダンで、洗練された香りが「野蛮なバラ」だなんて・・・?

当初は不思議に思っていたものです。

ところが、やはり、ローズバルバルはローズバルバルなのです。

バルバル(Barbare)には、野蛮な、以外にもいくつかの意味を持ち合わせていることがわかります。

クルジャンは、これまでのバラ香水にない新たなバラ香水として、まったく新しい概念のバラのフレグランスを作り上げたのかもしれない。

既存のバラ香水のイメージを覆したかったのかもしれない。

ローズバルバルをまとったある暑い日、ふとそんな想いを抱くようになりました。

個人的には、残酷なバラ、と訳したら面白いな、と想像して楽しんでいます。

※クラウン仏和辞典 第6版アプリで「Barbare」と検索しました。

ローズバルバルをまとうシーン

エレガントなのに甘さはほとんど感じない、クールなローズ。

そして香調でカテゴライズするのなら、シプレー系(シプレーフローラル)に分類される香りです。

同じゲランの別ライン、エリクシール シャルネルコレクションの中に、シプレーファタルという作品があります。こちらもシプレー系です。

とびきり魅力的な女性を思わせるシプレーファタルとは異なり、ローズバルバルにはセンシュアルな雰囲気はほとんどありません。

甘さや媚びがないので、オフィス用にも使いやすい作品です。

デートや女子会よりも、お仕事モードの日や読書、アート鑑賞、将来のための勉強の日、といったシーンが私のオススメです。

あなたが交際や夫婦関係が順調なカップルであれば、二人で過ごす時にいつもと違う香りとして選んでみても◎

シェアしてまとうのも素敵です。

ローズバルバルは女性っぽい香り?

ローズの作品なのに、甘さよりもスパイスが立ち、後半にかけてはクールなパチュリが引き立つ香りは、ドライで都会的な印象です。

ゲランの公式サイトでは、女性だけでなく男性もまとえると記載があります。

中性的でクールな雰囲気ですので、性別を問わない使い方ができる作品と言えます。

ローズバルバルが気になる方におすすめ、シプレーノートとは

ローズバルバルをインターネット上で入手するのは困難です。

そこで、ローズバルバルの香りが気になった方におすすめしたいのは「シプレーノート」の作品です。

当サイトでは、以下の記事でシプレーノートについて詳しく紹介しています。あなたの気になる香水が見つかるかも!?
参考にしてみてくださいね。

シプレーノートってどんな香り?代表的なシプレー香水12選
ある香水の名前が、そのまま香調名になった「シプレーノート」とはどんな香りでしょうか? シプレーノートは、1917年に当時フランスの香水会社だったコティより発売された「CHYPRE (シプレー)」という香水から始まり、今日では香りの種類...

 

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