今ではバリエーションが豊富なゲランの「ラ プティット ローブ ノワール」シリーズ。
2012年9月の発売当初はオードトワレのみでしたが、やがてオードパルファム、限定版など様々なラ プティット ローブ ノワールが展開され続けています。
そんな、ゲランの新しいフレグランスシリーズの元祖、ゲラン ラ プティット ローブ ノワール オーデトワレについて紹介していきます。
ラ プティット ローブ ノワールってどういう意味?
ラ プティット ローブ ノワールとは、英語では「リトルブラックドレス」という意味になります。
黒色のワンピースは欧米の女性のマストハブアイテムであり、誰でも1枚はワードローブに持っているのだそう。
その名前を冠した香水、つまり女性にとって必需品のフレグランスというわけです。
なかなか考えましたよね。
ラ プティット ローブ ノワールの香りの構成
ラ プティット ローブ ノワールを手掛けたのは?
ラ プティット ローブ ノワールは、ゲラン三代目の調香師であるティエリー・ワッサーの作品です。
いまを生きるゲランの調香師は、イディールやアクア アレゴリアシリーズの生みの親でもあります。
ラ プティット ローブ ノワールはどんな香り?
トップノート:ローズ、ジャスミン、オレンジブロッサム
ミドルノート:チェリー、アップル、ブラックカラント
ラストノート:ホワイトアンバー、ホワイトムスク
調香師:ティエリー・ワッサー(Thierry Wasser)
ラ プティット ローブ ノワールは、ホワイトフローラルと甘酸っぱいチェリーが印象的な、弾むようにフレッシュな作品です。
従来のゲランにはなかった、軽やかで若々しい雰囲気がラストまで続きます。
似合う年代をとやかく言う以前に、時間が経つと重たくなりすぎる香りが苦手な方には特にオススメ。
逆に言うと、ウッディーなドライダウンが好きな方には、ちょっと違うなと思ってしまうかも。
また、いわゆる名香に飽きてきた時に嗅いでみると、先入観を取り払ってくれるような新鮮さがあります。
ラ プティット ローブ ノワールをまとうオススメの季節
初めてトライするなら、カラリと晴れた日がオススメです。
雨や曇の日、湿気が多い時季には、甘い香りが篭ったような、まとわりつくような感じになってしまいました。
また晴れていても、真夏は避けたほうが無難です。
ラ プティット ローブ ノワールの最大の魅力は甘酸っぱさなので、湿気には気をつけて。
ラ プティット ローブ ノワールは普段使いできる?
「ラ プティット ローブ ノワール」という、とっておきのおしゃれを決めたい日の服装を連想させるネーミングとは裏腹に、カジュアルにまとえる気軽な作風となっています。
なかなか使い勝手が良い調香なんです。
ボトルに描かれたイラストのように、黒のミニワンピースをまとい、ハイヒールを合わせるのはもちろん、その日のファッションを格上げしてくれるような魅力があります。
お花とチェリーが織り成す甘い香りなので、オフィスでは控えめに。ワンポイントでまとうとオシャレ度が上がると思います。
軽めの香り立ちですが、なかなか持続時間は長めとなっています。
チェリーの香りを前面に出したい時は、こまめな付け直しを。
香りの変化をゆっくりと楽しみたい場合は、夕方まで付け直しをせず、やわらかいラストノートを楽しんで。
ラ プティット ローブ ノワールがもたらした影響(管理人の私見)
香水ファンの間では、ラ プティット ローブ ノワールはゲランらしくない……
そんな声も少なくありません。
ゲランは香水界を代表するメゾンであり、1889年に発表したジッキーは未だに発売され続けています(もちろん、時代とともに処方変更は重ねられているのでしょうが)
名香の伝統を守り続けることは大切ですが、既になくなってしまった調香師は、もう新作を生み出すことはできません。
また香水創りもビジネスですから、過去の名香のみを販売するわけにもいきません。
もしもゲランが、ジッキー、夜間飛行、サムサラといった名香のみを販売するメゾンだったら、21世紀の今日まで生き残れていないでしょうね。
“ゲランらしさ”を守るべきか、時代のニーズを捉えるべきか、メゾンの中であったであろう葛藤は容易に想像できます。(あくまでも想像ですよ)
さて、ワッサーは、ゲラン家の血族でない初めての調香師となります。
それ故の逆風を吹き飛ばし、メゾンの伝統を守りながら、彼独自のセンスを注ぎ時代を反映させたクリエーションで、次々とヒット作を生み出しているように思います。
また、ゲランのフレグランスファンの高齢化を食い止め、新たな若い世代をファンに取り込むことに成功しました。
アクアアレゴリアシリーズや、今回テーマとしているラ プティット ローブ ノワールシリーズをキッカケに、ミツコには手を伸ばさない20代までもがゲランの店舗へと足を運ぶようになりました。
下記は、ティエリー・ワッサーのインスタグラムの投稿から。
今年の春(2017年5月)、グラースで収穫されたばかりのバラの花に埋もれています。とっても楽しそう。
ラ プティット ローブ ノワールの主なラインナップ
ラ プティット ローブ ノワール オードトワレ
今回ご紹介したラ プティット ローブ ノワールの元祖版は、オードトワレでした。
現代女性にとっての必需品となるような、使い勝手の良い作品です。
ラ プティット ローブ ノワール オードパルファム
オードトワレ版に深みをもたせたオードパルファム版。香りもちょっと違います。
ブラックチェリーのより甘酸っぱいトップノートに、アーモンド、ベリー、ベルガモットが続きます。
ミドルノートで満開となるローズがセンシュアル。
ラ プティット ローブ ノワール クチュール オードパルファム
クチュールと名付けられた通り、グラマラスで大人っぽいバージョンがコチラ。
ボトルに描かれた黒のブラックドレスはロング丈となり、セクシーな深いスリットが入っています。
トップノートはチェリーではなく、ラズベリーとベルガモットが輝きを放ち明るい印象ですが、ミドルノート以降はグッと大人の雰囲気に。
芳醇なローズのエッセンスが広がり、ラストノートのパチュリやモッシーな香りと溶け合います。
大人女子にこそまとってほしい、エレガントなラ プティット ローブ ノワールです。
ラ プティット ローブ ノワール オーフレッシュ オードトワレ
こちらは爽やかなシトラス系のラ プティット ローブ ノワール。
よく見ると、ドレスの裾が花びらのようになっていますね。
フローラルグリーンのさわやかな香りで、甘すぎず好感度もアップしそう。