私には、夏を思い起こさせるフレグランスがいくつかあります。
その1つが、ディプティックのオーデュ34。
サンジェルマン34には、オリジナルの黒い蓋のものが先行して発売されていますが、今回は、オーデュ34をご紹介したいと思います。
サンジェルマン34シリーズとは、パリのサンジェルマン大通り34番地にある、ディプティックのブティックをイメージしたシリーズのこと。
透明のボトルに伸びた骨のようにも見える編み紐と、蓋に描かれた「34」のロゴは、インテリアとしてもオシャレです。
黒い蓋がオリジナルの34、白い蓋が、今回ご紹介するオーデュ34になります。
オーデュ34の香りは?
オーデュ34は、柑橘系を中心に、たくさんの香料で軽やかに仕上げたオードトワレです。
香りの構成を見ると香料の多さに驚きますが、香りは洗練されており、特定の香料が前面に出るタイプではないことがわかると思います。
ミドルノート:ゼラニウム、チュベローズ
ラストノート:シダー、パチュリ、インセンス(お香)、ラブダナム(ゴジアオイ)、モス
調香師:オリヴィエ・ペシュー(Olivier Pescheux)
私には、男性用香水のような側面も持っているように感じました。実際にはユニセックスの利用を想定して作られています。
性差の別だけでなく、年齢の壁も取り払って使うことができます。
トップノートには柑橘系が多く、ジュニパーベリーやスパイス類といった、スッキリした香料も含んでいますね。
このため、クールで涼しげな印象を感じるのだと思います。
このため、気温が30度を優に超えるような真夏でも、スッキリとまとうことができるのです。
お花の香りもいくつか入っていますが、フローラル系の作品とは異なり、お花の香りは目立って感じられません。
ドライダウンはパチュリやお香の中に、ウッディーやハーブ様のグリーンを感じさせる優しい香りに。
いくつもの素材が複雑なハーモニーを奏でるように、洗練されたオーデュ34の香りが出来上がっているのです。
オーデュ34は男性向け?
オーデュ34は、男女兼用で使える作品です。
洗練されたモードな雰囲気を感じさせますし、敢えてメンズライクな演出をしたい時にはハマりそう。
スカートスタイルでも、ジャケットを合わせたコーディネートや、甘さを抑えた着こなしをさらにワンランク上げてくれそうです。
個人的には、ラフにジーンズを履くようなカジュアルなスタイルの日にも合うと思います。
お花の香りをメインにしたフェミニンな香りではない分、知性な女性らしさや、他の子とは違う個性をさりげなく演出できるのでは?
オーデュ34のイメージは?
オーデュ34は、春へ向かう季節の変わり目のブティックをモチーフにしたフレグランスなのだそう。
※出典:オーデュ34 プレスリリース資料から
たしかに、店頭では、実際の季節よりも先行して、半歩先の季節感をディスプレイしますよね。
これからやって来る季節を心待ちにするような、そんな気分にあふれた香りです。
私にとっては、春というよりも、夏の訪れを待ち遠しく感じさせる作品です。
柑橘系を中心に用いることで、日差しや暑さにも負けず、さわやかに過ごせそうだからです。
同じくプレスリリース資料によると、柑橘系を用いたことで、どの時代にも流行遅れになることがない作品に仕上げたのだと、調香師のオリヴィエ・ペシューが語っていました。
オーデュ34が発売されたのは2013年ですが、これからずっと先の時代にも愛されるよう、調香師が配慮したのですね。
長く使い続けることができる作品です。
オーデュ34の持続時間は?
オーデュ34は、オードトワレになっています。
柑橘系の香料が多く入っているため、持続時間が短いのでは?と不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には3〜4時間ほどは香りを楽しめます。
柑橘系のジューシーさは1時間ほどで消えてしまうものの、複雑に混じり合った香りそのものがオーデュ34の魅力。
ハーブを感じさせるグリーンな香りが好きな方や、中性的な香りを求めている時にオススメしたい作品です。
また、蒸し暑い真夏にたっぷりまとうことで、精神的にもリフレッシュすることができました。
オーデュ34のラインナップ
オーデュ34は、オードトワレのみの作りです。
香りの保ちは、一般的なオードトワレよりやや長めで、ドライダウンまでを含めると、3〜4時間は楽しめると思います。
ドライダウンの落ち着いた香りも、穏やかで素敵です。
オーデュ34 オードトワレ