いかにも香水をつけてます、といった強い香りではなく、自分の肌の匂いに馴染む心地いい香りが、いまの気分。
蒸し暑さの中で汗をたくさんかいても、自分の肌からほっと落ち着けるいい香りが漂ってきたら、なんだかホッとしますよね。
また、この時期は香害のことが気になる方もいるかもしれませんね。
今回ご紹介するのは、肌にそっと寄り添ってくれながらも、少しだけ個性と夏を感じさせてくれる香り・・・
夏にピッタリのシトラス系、メゾン フランシス クルジャンから、アクア ヴィタエ オードトワレと、アクア ヴィタエ フォルテ(オードパルファム)をご紹介します。
アクア ヴィタエの世界観
アクア ヴィタエは、生命の水という力強いネーミングをもつ作品です。
フォルメンテーラ島という、イビサ島の近くに浮かぶスペインの島がモチーフとなっているのです。
季節は夏、燃えるような夏の太陽が沈みかかった、夕日に染まる水平線。
太陽と海が作り出す美しいひとときを眺めながら、言葉を交わさず、ただふたりで過ごす砂浜・・・。
そんな、バカンスの一場面を思わせる、大人のためのシトラス系。
単なるアクアシリーズの一つというよりも、もう少し踏み込んだ水の表現ですね。
アクア ヴィタエ オードトワレの香り
カリビアンレモン、シチリアンマンダリン、ジャスミン、ブラジリアントンカビーン、バニラ、エディオン、ガヤックウッド
調香師:フランシス・クルジャン(Francis Kurkdjian)
男女兼用のフレグランスですが、アクア ヴィタエは、オードトワレの方が男性っぽさを感じる作品です。
つけたての瞬間は、レモンとマンダリンの爽やかなシトラス系の雰囲気。
クルジャンらしい、透明感に溢れた柑橘系の表現は、クリアーな炭酸系ドリンクのイメージです。
ミドル以降は、トンカビーンやバニラが入っているので、あたたかみのあるラストノートが現れるのかな?と思いきや、意外にも前面に魅惑的なガヤックウッドが現れました。
甘いバニラ、トンカビーンが思わせるまったりとした香りというよりも、力強く優しい、大きな存在に包まれているようなイメージです。
ガヤックウッドには、ウッディー系の深みのある樹木の香りだけでなく、ほんのりとした甘さ、水気のある土のようなアーシーさも含まれています。
と言っても、オードトワレということもあり、肌の匂いと混じり合いながら、ドライダウンは柔らかく消えてゆきます。
このブログでも過去にご紹介した、ラルチザンパフュームのティー フォー ツーのラストをイメージしました。
アクア ヴィタエは、ティー フォー ツーほどにはスパイシーではありません。
ガヤックウッドが引き立つ、ラストノートの雰囲気が似ているなと感じました。
やや男性っぽさを感じるものの、甘みのある香りが苦手な女性でも似合いそう。
いかにも男性用フレグランスをつけています、といった違和感はなく、軽やかさと強さを併せ持ち、公私共に充実した女性のイメージです。
アクア ヴィタエ フォルテ(オードパルファム)の香り
アクア ヴィタエには、フォルテというオードパルファム版があります。
フォルテと言っても、そこはクルジャンです。
香りがきつくなるのではなく、透明感をキープしたオードパルファム。
また、調香もオードトワレ版とは異っているのです。
フォルテというよりも、もうひとつのアクア ヴィタエと言っても良いかもしれません。
シチリア産マンダリン、カラブリア産ベルガモット、セイロン産シナモン、グアテマラ産カルダモン、ピンクペッパー、オレンジブロッサムウォーターアブソリュート、へディオン、イランイラン、東インド産サンダルウッド、ハイチ産べチバー
調香師:フランシス・クルジャン(Francis Kurkdjian)
オードトワレ版といくつかの香料は重なりつつも、ずいぶんと顔ぶれが変わっているのがわかるでしょうか?
トップノートの主役、マンダリンオレンジの香りは変わっていませんが、レモンではなくベルガモットが入り、グリーン味と苦味がプラスされています。
ミドルでは、イランイランとオレンジブロッサムが女性らしく華やかなムードに仕上げてくれます。
オードトワレ版と共通しているのは、シトラス系を基調にした透明感の演出。
エディオンを効果的に使い、香りが長持ちしにくいシトラスの雰囲気を、ミドル以降まで持続させているように感じます。
香りのイメージは、明るい黄色やオレンジ色です。
ポイントは、イランイランが入ることで、オードトワレ版よりもグッとフェミニンに。
日中だけでなく、夜にも使える大人の女性の香りになっています。
透明感があるので、夜遊び系の香りに転んでしまう心配はありませんよ。
アクア ヴィタエのラインナップ
アクア ヴィタエ オードトワレ
アクア ヴィタエ フォルテ(オードパルファム)