やわらかな日差しに包まれ、自分の中から湧き上がる穏やかな幸せを噛みしめる瞬間・・・
そんな思いにさせてくれる、女性の味方のような香水がイディールだと思います。
ちなみに私は、自分をアゲるハッピーフレグランスとして、カテゴライズしています。
明るすぎない香調が魅力のシプレー
イディールの香調は、シプレーフローラル。
シプレーの特徴は、真夏の太陽やバカンスの海辺のような、底抜けに明るく眩しい日差しとは異なり、やわらかな日差しを感じさせてくれます。
キャピキャピとした子どもっぽい明るさではなく、上品で落ち着いた雰囲気を演出できると言えるでしょう。
女性の幸せを想起させる香り
シプレーノートの印象を書いてきましたが、つけたて~ミドルノートに至っては、フローラル系の特徴が前に出てきます。
私の第一印象は、清楚で華やかな、お花の香りです。
フローラルの特徴が先に立って香るため、暗く内向的な香りにはなりません。
品があり、育ちの良い女性らしい雰囲気を演出してくれる、エレガントな香調です。
イディールをまとった女性からは、内面の充実をうかがわせるような気がしませんか?
ところで、フローラル系のフローラルの部分について、まだ詳しく触れていません。
どんなお花の香りがするのでしょうか。
さまざまなお花の香りをあわせたような調香、フローラルブーケ
ゲランの公式サイトでは、このようにイディールが紹介されています。
リリー、シャクヤク、フリージア、ホワイトライラック、オレンジブロッサムのブーケがフラワーシャワーのように降り注ぎ、フレッシュで喜びに満ちた香りを放ちます。
ハートノートは、ジャスミンとブルガリアン ローズのハーモニー。
そして最後に、パチュリとホワイトムスクのシプレーノートが、繊細なイランイランのノートと溶け合います。
出典:ゲランの公式サイトから
紹介文の中だけでも、8種類ものお花の名前が確認できます。
ホワイトフローラル(花弁が白いお花)のお花だけを集めた花束のようです。
特定のお花のみにフォーカスを当てるのではなく、複数のお花の香りが混ぜ合わされたように感じさせる調香のことを、フローラルブーケと呼び習わします。
実際にまとってみると、特定のお花の香りが際立って感じられるのではなく、いくつものお花が混じり合ったような、透明感のある香りに包まれます。
イディールは、フローラルブーケの成功例と言えるでしょう。
また、イディールは個性の強さではなく、洗練されたバランス感覚を表現しているように感じます。
控えめなようで、どんな状況にもスマートに立ち振る舞うことのできる女性。
これってまさに、オフィス使いにピッタリの香りだと思いませんか?
イディールの持続時間
オードパルファム版のイディールでも、持続時間は短め。
朝、外出前にまとった場合、午後にはほのかに感じられる程度の穏やかな香り立ちになっていました。
夕方には、肌に鼻を押し付けてみないと感じられない程度に。
持続時間が短いタイプの香りだと思います。
仕事が終わる頃にはちょうど香りがなくなるので、会社帰りの予定に合わせて他の香りを重ね付けを楽しみたい時にはピッタリですね。
もちろん、お昼休みに、イディールをまとい直しても良いでしょう。
午後からも、優しい気持ちで仕事がはかどりそうですね。
重ね付けにオススメの香水
イディールに入っている、シプレー系の要素を引き継ぐという方法があります。
まだ香りが残っている場合、違和感なく重ね付けした香りを引き立ててくれますよ。
また、あまりシプレーにこだわりすぎると、マダムの雰囲気になってしまいます。
会社帰りの女性が纏うなら?
軽めのシプレーに、ほんの少し遊び心を感じられるような香りをオススメします。
バナナリパブリック ワイルドブルーム EDP SP
カジュアルでベーシックに使いやすい、バナナリパブリックからもフレグランスが発売されています。
その中から、ワイルドブルームをご紹介します。
やや軽めの香りで、甘すぎず、クールすぎることもなく、バランスの取れた香りです。
香調は、フローラル・フルーティ・シプレ。
日本でも人気が高い洋梨の香りと、柑橘系のトップノートが爽やかです。
仕事が終わった後の自由時間を、リラックスして楽しめそうです。
ラルチザンパフューム ローズプリヴェ
ラルチザンパフュームの比較的新しい作品をご紹介します。
発売された2015年当時、モダンなバラ、として雑誌に紹介されることが多かったのを覚えています。
従来のバラ香水の、古典的なイメージとは真逆をゆく、新しいタイプのバラ香水です。
バラとシプレーが早いうちに混じり合って香り立つので、シプレー系が好きな方にはたまらない香りと言えそうです。
30代〜40代の成熟した女性がまとうと、知的な大人の女性の雰囲気がピッタリ。
セクシー推しの香りではないのに、内面から湧き上がる魅力を引き立ててくれるような要素があるような、美しい香りです。
イディールにはパルファン(香水、エクストラクト)があった!?
イディールには、エクストラクトバージョンが存在していました。
残念ですが、つい最近の2016年に廃盤になってしまったのです。
昨今のフレグランスのニーズは、より気軽に纏うことができ、シーンを選ばないオードパルファムの時代と言われています。
そんな時代の流れを汲んでいるのかもしれませんね。
イディールのラインナップ
イディール オードパルファム
イディール オードトワレ
イディール オーサブリーム
2011年の限定フレグランス。
イディールのバリエーションとなっています。
インターネット上では、ごくわずかに流通しているものを見つけることができます。
なかなか入手が困難なレア香水となっているので、気になる方はお早めに。