精神的に疲れてしまった時、私が求めたくなるのはオレンジブロッサムの香りです。
ローズやジャスミンが持つリュクスな雰囲気とは異なる、シンプルな美しさを持つお花だと思うのです。
例えて言うなら、化粧っ気がなくとも、その笑顔だけで相手を魅了してしまうような女性・・・
今回ご紹介する作品は、私がずっとモードなイメージを抱いていたセルジュ・ルタンスを、一気に身近な存在にしてくれた作品でもあります。
さっそく、セルジュ・ルタンスのフルールドランジェ(オレンジの花)をご紹介してゆきます。
フルールドランジェの香りは?
メインとなる香り:オレンジブロッサム
オレンジブロッサムを引き立てる香り:ジャスミン、チュベローズ、ローズ、ムスク、ハイビスカス、クミン
調香師:クリストファー・シェルドレイク(Christopher Sheldrake)
フルールドランジェという名前の通り、オレンジの花の香りを引き立てる調香となっています。
ジャスミン、チュベローズ、ローズ、そしてハイビスカスといった華やかなお花が続くものの、あくまでもメインはオレンジの花。
これだけたくさんのお花が入っているのに、フレッシュな香り立ちとなっており、イキイキとした生命力を感じます。
グリーンノートが作るフレッシュではなく、切りたての生花を思わせる、茎や葉のフレッシュな香りで、ディプティックのオレーヌにも通ずるものがありそうです。

オレーヌのほうがジャスミンを引き立てていますが、フルールドランジェもまた、ジャスミンを感じることができますよ。
フルールドランジェは、生花の雰囲気に近いフローラルが好きな方にはピッタリだと思います。
私の場合、時間が経つにつれて、丸みのある可愛い雰囲気に変化してゆきました。
渋みや苦味が出るのもオレンジブロッサムの味わいですので、まとう人によって香りの出方は異なるかもしれません。
フルールドランジェは女性向け?
ユニセックスとされているフルールドランジェ。
一般的に、オレンジブロッサムを用いた香りは、女性向けにフォーカスされていることが多いですよね。
もともと、フローラル独特の華やかで幸福感あふれる香りは、女性らしさをイメージさせます。
ローズやジャスミンとはまた異なる、女性らしい素敵な香りの一つですが、オレンジブロッサムならではの苦味や渋味を感じさせることもしばしば。
このため、男性がまとっても違和感がなかったり、女性でも、可愛くなりすぎないといったメリットもあると思います。
フルールドランジェは日中向けの明るい作風で、女性がまとうなら、ヘルシーな魅力を感じさせてくれる作品と言えそうです。
男性の場合でも、明るくちょっぴり甘い雰囲気に仕上がりそう。
女性よりも、男性は体温が高い方が多いと思いますので、お花の香りは早くに飛び、スパイスとムスクの香りが残るのではないかと想像しています。
フルールドランジェのラインナップ
フルールドランジェ オードパルファム
フルールドランジェは、オードパルファムのみの作りとなっています。
オレンジブロッサムは持続時間が短い場合が多いのですが、オードパルファムであることから、4時間ほどはお花の香りを楽しむことができそうです。
ドライダウンは、温かみのある優しいムスクです。
ドライダウンでアンバリーになったり、ウッディーが強く出る香りがニガテな方には特におすすめしたい作品です。