小さい頃は、いまのように冷房で身体が冷えすぎる経験は少なかったと思います。
雨ばかり降り、夏でも肌寒かった冷夏の年のある日。寒くてベッドに寝転んだ時にふわっと香ったタオルケットの良い匂いは、なぜだか忘れることができません。
このエピソードは、冷房で身体が冷えてしまった時に思い出すのですが、最近、この時を思い起こさせる繊細な香りに出会いました。
今回ご紹介したいのは、ペンハリガンのアルテミジア、繊細でスイートなオードパルファムです。
アルテミジアの香りは?
アルテミジアは、パウダリックなホワイトフローラルとムスクが香る、繊細なレースを思わせる雰囲気です。
香りの変化はそれほどダイナミックではありませんが、トップノートとドライダウンでは、少々異なる雰囲気だと感じられるかもしれません。
時間の経過によって移ろう、香りのピラミッドを楽しみたい方にはオススメの調香ですよ。
詳しく見ていきましょう。
トップノート:ネクタリン、グリーンフォリエイジ
ミドルノート:グリーンアップル、ジャスミンティ、リリー・オブ・ザ・バレー、スミレ、バニラ
ベースノート:オークモス、サンダルウッド、ムスク、アンバー
トップノートは、桃の一種であるネクタリンが甘くみずみずしい芳香を放ちます。
子どもっぽさはありませんが、子ども時代を思い起こさせる、なつかしい何かを含んだネクタリンです。
肌の上で香りがあたたまってくると、繊細なお花たちがそっと開き始めます。
グリーンっぽさが入った白いお花、リリー・オブ・ザ・バレー(スズラン)と、可憐なスミレ。
この2つだけだと、クールで大人っぽい雰囲気に仕上がりますが、グリーンアップルやバニラと混じり合うことで、クールな雰囲気を中和しています。
大人っぽさと無邪気な子ども時代を行ったり来たり、繊細なバランスを取って揺れているのです。
やがて、バニラに導かれるように、サンダルウッドとムスクが現れ始めます。
ドライダウンは、人肌のぬくもりを感じるスキンフレグランスっぽいかもしれません。
一方、肌質によっては、私のようにムスクが強めに出る場合もあれば、アンバーが前に出ることもあると思いました。
ドライダウンを甘く感じる場合は、バニラとアンバーの甘みが強く出るタイプですね。
このパターンは、大人でもまとえるガーリーな印象です。
アルテミジアが似合う季節は?
アルテミジアは、一年中つかえるフレグランスではないかと思うのです。
バニラが入っているものの、香り方は実に穏やか。
なにも秋・冬を待たなくとも、重苦しくなってしまうことはないでしょう。
ふんわりとした、繊細な雰囲気づくりが得意な作品ですので、厳しい暑さや寒さの中で、香りを際立たせるような使い方は向いていません。
オフィスの中で過ごす内勤の日や、お風呂上がりのリラックスタイムにまとうのがオススメ。
ゆったりと落ち着いた気持ちで、優しい香りの変化を楽しんでいただきたいと思います。
あるいは、くつろいで過ごしたい時にまとってみるのも良いかもしれません。
アルテミジアのラインナップ
アルテミジアは、オードパルファムのみの作りとなっています。
ボディケアアイテムとして、バス&シャワージェルがありますが、インターネット上ではレアものかも。
アルテミジア オードパルファム
ペンハリガン レディース フレグランス コレクション 5ml×4種類セット (アルテミジア/マラバー/エレニシア/リリーオブザバレー)
ペンハリガンのレディースフレグランスを集めたミニチュアセット。
ペンハリガンってどんな香り?色々試したい方にはピッタリです。
ボトルも箱も素敵なので、ちょっとしたギフトにも。