久しぶりに、ディプティックから新作フレグランスが発売されたので店頭へ足を運びました。
昨年(2017年)は、エッセンスアンサンセの発売もなかったため、新作が待ち遠しかったのです。
今回は、2018年3月に発売された新作2点のうち、フルール・ド・ポー(Fleur de Peau)をご紹介します。
フルール・ド・ポーのネーミングはどんな意味?
フルール・ド・ポーは、直訳すると、フランス語で「肌の華」という意味になります。
実際にまとってみると、不思議とそのネーミングがしっくり来るのです。
まるで自分の肌そのものが香り立つような、静かでセンシュアルな華が開きます。
もう少し深く、フルール・ド・ポーの世界を探って行きましょう。
フルール・ド・ポーのコンセプト
フルール・ド・ポーは、ギリシャ神話のプシュケとエロスにヒントを得た作品です。
(ボトルの裏側に、女神のイラストが描かれているので、機会があれば見てみてください)
人間の娘であるプシュケが幾多の試練を乗り越え、神託の相手であるエロスと結婚し幸せになる物語です。
この美しい愛の神話をなぞらえた香料として、ディプティックはムスクを選びました。
そう、フルール・ド・ポーは、ムスクが主役の作品なのです。
フルール・ド・ポーの香りはどんな香り?
フルール・ド・ポーの香りを詳しく見ていきます。
ムスクと聞いて、動物性の香りが苦手な方は、拒絶してしまうかもしれませんね。
ところが、フルール・ド・ポーは、植物性のムスクを採用しており、アニマリックノートによくあるムスクのえぐみや野性味ではなく、ムスクの肌に寄り添うような特徴を引き出した作品となっているのです。
このほか、アイリス、洋梨やプラムのような甘酸っぱいフルーツの香りがほんのりと香ります。
印象としては、スキンフレグランスにアクセントを付けたような雰囲気です。
引き算のスキンフレグランスではちょっぴり物足りないな、というあなたにはピッタリかも?!
植物性ムスクは、近年よく目にする素材の一つでもあります。
想像ですけれど、世界的なナチュラル志向の高まりに、影響しているのかもしれませんね。
フルール・ド・ポーに採用されている植物性ムスクは、なんと素材が明かされています。
それは、ハイビスカスの種から得られる、アンブレットシードから抽出しているのだそう。
私はこれをショップのスタッフさんに教えていただきました。
まとってみた!フルール・ド・ポーの香りの変化
私の肌にまとってみた、フルール・ド・ポーの香りの変化を書いていきます。
つけたての瞬間は、驚くほどさりげなく、ひっそりとしたトップノートです。
トップノートにドラマティックなインパクトを持ってくることが多い、ディプティックらしくないとさえ思ってしまったほど。
ところが、フルール・ド・ポーが体温であたたまるにつれ、少しずつ、けれど確実に肌の上で華が開いてゆきます。
やがて、上質な石けんのような甘い香りがふんわりと広がり始めます。
グルマン系の甘さとは異なる、クリームを思わせるほのかな甘い香りは、女性の肌そのものが甘く香りを放つよう。
ほのかな甘い香りは、自分自身の肌の香りと遠く離れず馴染みながら、気が付くとパウダリックなアイリスが咲き誇っているのです。
私の肌の上では、パウダリックなドライダウンを5〜6時間ほど楽しむことができました。
ほの甘い香りのミドルノートが心持ち長いこともありますし、意外に早くアイリスが香り立つことも。
オードパルファムとして香りの押し出しは控えめでありながら、持続時間はたっぷりとしており、上品で使い勝手の良い作品だと思います。
フルール・ド・ポーが向いているのはどんな人?
フルール・ド・ポーをひと言で表現するなら、洗練された大人の女性のためのフレグランス。
それは決して派手ではないのに、物静かで端正な美人が男性の心に長く存在し続けるよう。
他人と自分を比べる必要のない、存在感のある大人の女性……
そんな姿が目に浮かぶようです。
落ち着いた調香のため、オフィス向け、芸術鑑賞などのシチュエーションにも似合いそうです。
一方で、夜遊びやパーティーシーン、合コンといったプラスオンのイベントでは、埋もれてしまうかもしれません。
そんな時は、華やかな香りの下地として使って、他の子と差をつけても◎
フルール・ド・ポーを下地にすることで、いつもの香りに奥行きを与えることができる、というわけです。
フルール・ド・ポーは、こんな香りが好きな人にオススメ!
メゾンフランシスクルジャン アクアセレスティア
すっきりとしたライムやミントと、人肌に添うようなムスクを絶妙に調香した、クルジャンのアクアセレスティア。
静かで落ち着いたフレグランスを探している方だけでなく、クールで洗練されたイメージを演出したい方にもオススメです。
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ラルチザンパフューム パッサージュダンフェ 地獄通り
インセンス(お香)と、優しいサンダルウッドとムスクが心地良いパッサージュダンフェ。
スキンフレグランスの名作ですね。
自分とそのごく近くにだけほのかに香るスキンフレグランスが好きな人が選んでいる、という玄人向きの調香も、フルール・ド・ポーのイメージと近いと思います。
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レイヤードフレグランス ホワイトムスク
気軽な重ね付けを推奨している国産ブランド、レイヤードフレグランスからは、ホワイトムスクをセレクトしました。
肌そのものから良い香りがするかのような調香は、さりげなく色気をまとうかのよう。
フルール・ド・ポーより甘みがあるので、重ね付けにしても◎
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ダウンパフューム フォーミュラX
まとう人によって香りが異なるオードパルファム。
香りの強さは極めて控えめで、まとっているかどうかがわからないくらいに馴染む香りは、香水ツウから香水嫌いの方まで、広く受け入れられています。
フォーミュラXを下地にフルール・ド・ポーをまとえば、自分だけの肌の華がより引き立つかも。
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