気温が低くても、湿度が高くムシムシとする梅雨の時期・・・
そんないまの時期は、いかにも香水を使っています、といった濃い目のフレグランスよりも、さりげない香りをまといたくなります。
最近の日本は、どんどん亜熱帯化しているようで、東南アジアの気候に近づいているようです。
それゆえに、夏でも湿度が低い欧米のように、日本では作品本来の軽やかな香りを引き出すことが難しいんですよね。
今回は、香りのワードローブを提唱するメゾン フランシス クルジャンから、APOM プールファムをご紹介します。
APOM プールファムのネーミング
APOM ・・・まるで、何かの隠語のような不思議なネーミングは、A Part of Me(私の一部)の略称です。
クルジャンが得意とする、自分の一部となるようなフレグランスです。
APOM プールファムの香りは?
APOM プールファムは、イタリアで初夏の頃に吹く季節風「シロッコ」にイマジネーションを得た作品です。
サハラ砂漠から吹く風は、時に砂を巻き上げて砂嵐となるのだとか。
その砂嵐の黄色のように、APOM プールファムは黄色い花を用いて調香されています。
構成:オレンジブロッサム、イランイラン、シダーウッド
調香師:フランシス・クルジャン(Francis Kurkdjian)
トップノート、ミドルノート、ラストノートといった香りのピラミッドは明かされていません。
つけたての瞬間は、果汁感を感じるようなオレンジブロッサム。
やがてイランイランが花開くと、よりフェミニンで華やかな印象に。
オレンジブロッサムと混ざり合うことで、べたっとしがちな濃厚さを和らげてくれるようです。
ラストはシダーウッド。
ウッディー系の香りの中でも女性らしく、砕けすぎないエレガントな樹木の香りです。
「シロッコ」の風のようにシンプルでエレガント、ドライダウンまで透明感を感じさせてくれる作品です。
APOM プールファムが似合う季節とオススメのまとい方
APOM プールファムが似合う季節は、やはり初夏の頃。
ですが、梅雨の頃の湿気を含んだ気候の中でも、美しくきらめくような輝きを見せてくれる香りだと思います。
湿度が高い時ほど女性らしくしっとりとした印象に。
吹き付ける肌とボトルをできるだけ離し、細かい霧状のシャワーをくぐるようなまとい方をすると、ムシムシした時期でも繊細に香らせることができますよ。
この方法なら、空中にたくさんスプレーしても、ちょっと足りないかな?というくらいの少量が髪や肌につくので、オススメです。
この作品本来のシロッコを感じるのは、乾燥した夏の昼間ですが、乾燥すればするほど、カッコ良い系の香りになると感じました。
少々、湿気があるほうが、女性らしく魅力的な雰囲気に仕上がるんじゃないでしょうか。
APOM プールファムのラインナップ
APOM プールファムは、オードパルファムのみの作品です。
香りの持続は比較的長め。
イランイランとシダーウッドが長めに残るので、日中のあいだはつけ直しをしなくても過ごせそうです。
つけたてのオレンジブロッサムをフレッシュに感じたい場合は、お昼休みや夕方に、追加でワンプッシュしてみるといいでしょう。