フー アブサンは、ラルチザンパフュームの中でも特にユニークな薬草系の作品です。
クールな薬草の香りは、独特の苦味があり癖になってしまいそうです。
ラルチザンパフューム(L’Artisan Parfumeur) フー アブサン オードパルファム 100ml
フー アブサンのモチーフは?
フー アブサン、それは緑色の危険なお酒、アブサンをモチーフにした香りです。
フランス文学や芸術に明るい方は、驚いてしまうかもしれませんね。
19世紀フランスの文化人たちを虜にし、そして禁酒を言い渡された歴史を持つアブサンからは、どこか秘密めいた雰囲気が漂います。
フー アブサンはお酒の香り?
それでは、フー アブサンはアルコールのにおいが強い香水なのでしょうか?
いいえ、モチーフとして採用しているだけであり、飲み物のお酒のにおいの香水ではありません。
ちなみに、一般的なフレグランス製品はアルコールを使用しているため、アルコール不使用の香水のほうが少数派となっています。
アブサンとは
アブサンは、ヨーロッパに自生する薬草の一種であるニガヨモギやその他のハーブ類、スパイスを使ったリキュールのことです。
アルコール度数が70%というものも存在するのだとか。
日本国内でおなじみのヨモギとは種が異なりますが、同じくキク科の植物で、独特の苦味が強い青臭い香りが特徴です。
フー アブサンの香りの構成
ハートノート / スターアニス、ペッパー、パチュリ、クローブ、ナツメグ、ジンジャー
ベースノート / 松葉、シスタス、バルサムモミ
ニガヨモギのインパクトが強く思われがちな、フー アブサン。
ところが、いつまでも薬草っぽいグリーンの香りが続くわけではないのです。
ハートノートでは、アブサンに使われているように、さまざまな種類のスパイスがにぎやかに香り立ちます。
ニガヨモギが主役でなければ、ただのスパイシーな騒がしい香りで終わっていたかもしれません。
それから、ニガヨモギを引き立てるように、アンゼリカやカシスのつぼみが華を添えます。
お花を脇役にしてしまうなんて、大胆な調香ですよね。
やがて、ベースノートでは松葉とバルサムモミ、針葉樹系独特のシックな落ち着いた雰囲気に。
一緒に使われているシスタスとは、アロマテラピーでも使われるお花の香料です。
ムスクに似た香りがするお花で、和名ではゴジアオイというお花です。
フー アブサンに向いている女性像
フー アブサンは好き嫌いの分かれる香りと言えます。
ラルチザンパフュームの中にもいくつか、こういった尖った作品が存在していますが、フーアブサンは特にエッジが立った作品です。
そんなフー アブサンが似合うのは、二面性のある女性だと思います。
単にエキセントリックな一面だけを持っているのではなく、表と裏、昼と夜、仕事とプライベートで違うチャンネルを持つ女性・・・。
昼間はスーツを着こなし、男性顔負けなほどに仕事をさばいてゆく。
そして、日が暮れるとともに、昼間には見られなかった魅力を発揮するのです。
蠱惑的な仕草で男性を翻弄したり、趣味の世界で生き生きと輝く女性像が浮かびます。
仕事に誇りを持っている専門職の方や、趣味や夢に向かってひみつの努力を続けている方といった、女性の内面からに湧き上がるプライドに沿うようなところがあります。
なにしろ、フー アブサンは珍しい香りです。
他人とかぶらない香水を探している方や、自分のイメージを確立したい方には、ぜひトライいただきたい作品です。
セクシーなだけの香水とはひと味もふた味も異なり、まとう人の内面に光を当て、内側から魅力を引き出す香水だと思います。
フー アブサンを手掛けた調香師は誰?
この作品を手掛けたのは、ラルチザンパフュームではおなじみのオリヴィア・ジャコベッティ。
他にはないユニークさと、フレグランスとしての良い香りを両立させることができる稀有な女性調香師の一人です。
こんなに大胆な香りを手掛けたのが女性調香師だなんて、なんだかグッと来てしまいますよね。
フー アブサンのラインナップ
フー アブサンは、オードパルファムのみの作りとなっています。
以前はボディウォッシュ等があったのですが、統廃合によってオードパルファムのみとなりました。