2016年限定! Essences Insensées (Rose de Mai) Eau de Parfum とは?
10月に発売された、フランスのフレグランスメゾン ディプティックの新作香水について、紹介していきます。
ディプティックでは、ここ数年、その年にしか買えない限定の香水を発売しています。
オードパルファムのみで、オードトワレはありません。
2016年のエッセンスアンサンセ(この限定香水の名称)は、なんとバラ。
さっそく見ていきましょう。
どんな香り?
私の第一印象は、ピンクのバラをイメージさせる、軽くて可愛い香りです。
香水の初心者だけでなく、上級者まで、いろいろな使い方ができる香りだと思います。
なぜなら、バラの香水と言えば、古今東西いくつもあり、使い古されたテーマのように思われがち。
ザ・香水の代名詞とでも言えそうです。
その意表をついて、エッセンス・アンサンセではディプティックらしい、現代的なセンスで上品にまとめあげています。
調香師は、ファブリス・ペルグラン(Fabrice Pellegrin)です。
2015年のエッセンス・アンサンセのほか、ドソンやフローラベリオも手掛けた調香師です。
香りの強さは?
とても軽い香りなので、長時間は保たないのでは?
テスターを試した時、私はそう感じました。
ところが、ショップスタッフの方は「どちらかというと長持ちする」とのこと。
たしかに、朝からまとってみると、香りが夕方まで残ります。
ずっと強く香っているのではなく、ふわっと優しく香りが続きました。
香りの変化は、落ち着いているように感じます。
みずみずしさと、ベリーの酸味と甘みを混ぜ合わせたようなトップノートから、5分ほど後には、この香水のメインとなるミドルノートが現れます。
ミドルノートの、軽やかなバラの香りが長く続く印象を受けました。
あえて、優しく軽い香りを楽しめるよう、デザインされたのだとわかります。
香りが軽いからといって、付け過ぎには注意したい香水です。
数時間経った後の、わずかに肌に残る香りも素敵です。
ラストノートに、はちみつの香りが出て来るのです。
蜜のような優しい甘さが一日の疲れを癒やしてくれそうです。
ローズ・ド・メとは?
わざわざ記載されている、ローズ・ド・メとは一体なんのことでしょうか?
ローズ・ド・メとは、数あるバラの中で、香料を採るために栽培される品種の一つを指しています。
ローズ・ド・メは、オールドローズの改良種でダマスセナ系統に分類され、香りは濃厚とされる。香料を採るために南アランスやモロッコで栽培されている。
出典:日本香料工業会 香り植物図鑑
ちなみに名前は、フランス語で「五月のバラ」という意味です。
本来は、バラの旬である五月に摂れたバラの香料を限定しているわけではなく、品種名というわけです。
ディプティックからは、植物の葉や花に由来する香りを活かしたさまざまなフレグランスが発売されています。
ワイルドな印象を与える動物性な香りよりも、草のような青さ、すぐそばで花が咲いているような優しさを感じる香りが得意なフレグランスメゾンと言えるでしょう。