まだまだ蒸し暑さは続きますが、日に日に近づく秋の気配を実感します。
そろそろ、香りのワードローブを秋のバリエーションに入れ替える計画を立ててみては?
春・夏の間は戸棚の奥に仕舞っておいた香りを、棚の前に出すなど“香りの衣替え”をしながら、香りのワードローブを考えるのは楽しいですよ。
今回は、秋の訪れが待ち遠しくなるオリエンタルな作品、ディプティックのヴォリュートをご紹介します。
ヴォリュートの香りは?
ヴォリュートの香りは、複雑で色々な香料が混じり合ったオリエンタルウッディーノート。
木そのものというよりも樹脂がメインのウッディーノートに加えて、タバコの香りやスパイス、ハチミツなど、エキゾチックな要素が目立ちます。
タバコと言っても、一般的な紙巻きたばこではなく、エジプトのタバコがイメージされているところもオリエンタルな雰囲気に一役買っています。
ディプティックの商品紹介パンフレットに記載されている香りは次の通りです。
スパイス、タバコ、ハチミツ、アイリス、安息香(ベンゾイン)
サフラン、レザー、スタイラックス(エゴノキから採れる樹脂)
調香師:ファブリス・ペルグラン(Fabrice Pellegrin)
私の感想では、トップノートはスパイスの強い香りから男性的な印象を受けます。
ディプティックの全ての作品は、ユニセックスで作られているため、男性だけの香りではありません。
ムエットで香っている時は、このスパイスと、タバコのスモーキーな香りが強く感じられるため、女性の方は、肌に乗せてみるのをためらってしまうかもしれませんね。
ぜひ一度、自分の肌に乗せてみることをオススメします。
体温で香水そのものが温まってゆくミドル以降は、ハチミツや安息香といったぬくもりのある香りを徐々に感じられるようになってきます。
体温が高めの方は、丸みのあるウォーミーな印象になり、これらの甘みも感じやすいでしょう。
グルマン系のようなお菓子を表現した甘さとは異なる、ハチミツと樹脂のまったりとした甘さは、肌に馴染んだ時の香り立ちがなんともいえませんね。
一方、体温が低めの方(体温が36度台前半以下)は、スパイスのシャープな印象のまま、それほど甘みは感じないと思います。その分、レザーの印象はキレイに立ってくるのではないか、と読んでいます。
この他に、下記の香りを感じるといった感想も海外の香水サイトでは紹介されています。
ドライフルーツ、ミルラ、ヘイ(干し草)、イモーテル、ピンクペッパー
ヴォリュートは男性向け? 女性でも使える?
先にご紹介した通り、ディプティックの作品は男女兼用で使える作りとなっています。
ヴォリュートを男性的だと感じる女性もいれば、樹脂独特の甘さが女性的だと感じる男性もいるでしょう。
アイリスやイモーテルのお花の香りも入っているものの、フローラルノート、フルーティーノートの作品ではないため、オフィスで浮いてしまう心配はなさそうです。
オリエンタルととても近い位置にあるグルマンとも異なり、グルマンほどお菓子っぽくないため、甘えた印象には、まずなりません。
ふんわりとしたスタイルに合わせるというより、パンツスタイルやジャケットを羽織る時、カッチリしたファッションに似合わせたくなる作品だと思います。
同じディプティックのオードパルファムでは、ウッディー系のタムダオよりも個性的。
個人的には、ヴォリュートにはアートやデザイン、研究職といった雰囲気も感じました。
タムダオがバリバリの総合職だとしたら、ヴォリュートは専門職、といったところでしょうか。
また、男性がまとう場合は、万人受けする香りではなく、香りで自分らしさを演出したい時に狙ってみると良さそうです。

ヴォリュートのラインナップ
ヴォリュート オードパルファム
ヴォリュートは、オードパルファムのみの作りとなっています。
ボディケアアイテムや、ルームフレグランスも出ていません。