フエギア1833 ムスカラ フェロジェイ MUSKARA PHERO J

フエギア1833

「スキンフレグランス」という、香りをオンする概念とは真逆のフレグランスが存在感を増しつつあるようです。

欧米との比較はもちろん、アジア圏の中でも、日本がフレグランスがなかなか受け入れられにくい市場であることや、「香害」をきらう風潮も根強いですよね。

こうした日本人の気質も、「スキンフレグランス」熱を後押ししているのかもしれません。

そんな日本にピッタリの作品。今回は、ムスカラ フェロジェイをご紹介します。

ムスカラ フェロジェイ(MUSKARA PHERO J)とは

ムスカラ フェロジェイ(MUSKARA PHERO J)とは、アルゼンチン発のフレグランスメゾン、フエギア1833(FUEGUIA 1833)から発売された作品です。

スキンフレグランスならぬ「アンチ・フレグランス」がテーマとなっています。

昨年あたりから試作品の存在を聞き知っていましたが、ついに今年、2017年8月に発売になったのです。

調香師は、もちろんジュリアン・ベデル(Julian Bedel)です。

今夏はGINZA 6でのポップアップストアもありましたので、全国から訪れた香水ファンの方で、先駆けて使っていらっしゃる方も少なくないようです。

ムスカラ フェロジェイのスゴいところは?

ムスカラ フェロジェイが他の香水とは決定的に異なる点は、「香りのない分子」を採用したフレグランスであるところ。

香らないのにフレグランスだなんて、矛盾を感じてしまうのに、一度嗅いだら、二度と忘れられない、まるで魔女の秘薬のような香りなのです。

公式webサイトでは、次のように紹介されています。

南米原産の催淫効果のある植物のリサーチをへて発見した、フェロモンと類似した分子構造をもつ「香りのない分子」を採用した新発想のフレグランス。女性の魅力を引き出し、ハッピーな気持ちを高めます。また同時に、肌本来のもつ香り分子を吸着して揮発を促す効果をもつ成分が、肌本来の香りと呼応。香りを重ねるのではなく、内からも外からも、自身本来の魅力を引き出す効果を提案するフレグランスです。
出典:フエギア(日本)公式サイトから

ムスカラ フェロジェイの香りは?

ムスカラ フェロジェイの香りは、「香りのない分子」を採用しているため、無臭なのでしょうか?

大丈夫です、フレグランス製品ですから、ちゃんと香りがありますよ(笑)

フラスコやムエットで香ると、ウッディー系のほのかな甘い香りを感じることができます。

これはムスカラの香りというより、フエギアの作品の根底にある、基調となるベースの香りそのものです。

何の香りなのかは明かされていませんが、フエギアの作品には基調となるウッディー系の香りが共通して入っているのです。

「アンチ・フレグランス」がテーマとなっているムスカラ フェロジェイですから、基調となる香りの他には、香りを発する原料を加えなかったのでしょう。

逆説的ですが、ムスカラ フェロジェイの主役であるフェロモン類似物質である「香りのない分子」は、香りがしないのですから。

ところが、いざムスカラ フェロジェイを肌に載せてみると、この作品の香りが、ウッディー調のほのかな甘い香りではないことがわかります。

そして驚くべきことに、スタッフさん曰く、人によって香りが異なるのです!

ムスカラ フェロジェイは人によって香り方が違う?

ムスカラ フェロジェイ最大の特徴は、人によって香り方が違うところです。

公式でも、

肌本来のもつ香り分子を吸着して揮発を促す効果をもつ成分が、肌本来の香りと呼応。
出典:フエギア(日本)公式サイトから

 

と紹介されている通りです。

ムスカラ フェロジェイ自身は香りがないのに、肌本来がもっている香りを引き出して、その人自身の香りを立ち上らせてゆく…

というわけですね。

ムスカラ フェロジェイをまとって、自分の肌からどんな香りが立ち上るのか。

フェロジェイをまとうことそのものがエンターテイメントのような、特別な体験になる作品です。

私のムスカラ フェロジェイの香りは?

さて、私がまとったムスカラ フェロジェイは、いったいどんな香りがしたのかというと…。

フエギアの六本木本店で私が見立ててもらったところ、フローラルの香りとのことでした。

フエギアのスタッフさん曰く、日頃使い慣れている香水の香りが出てきたり、よく食べている食べ物のにおいの影響も受けるようです。

ほかに、ミントの香りやオリエンタル系のスパイシーな香りなど、人によって香り方が異なるそう。

私自身も、日によって香りの違いを実感しました。

どの日でも自分にしっくりと馴染み、ずっと長いあいだ愛用してきたかのような感覚を覚えます。

外気温や湿度、自分の体温といった違いよりも、食べたものやホルモンバランスに左右されるのかな?

いずれにせよ、まとっている自分自身が居心地のいい香りになることには違いありません。

ムスカラ フェロジェイの香りの強さは?

もし、ムスカラ フェロジェイに欠点があるとしたら、私は香りの淡さを挙げます。

そもそもが「アンチ・フレグランス」であり、その人自身がもともと持っている香りを引き出すフレグランスですが・・・。

私が100mlのボトルを購入した際、スタッフさんが「使う量が増える」とおっしゃっていた意味を、いま噛み締めているところです。

淡い香りを感じたくて、ついつい使用量が増えてしまうのです。

重ねても香りが強く拡散しないため、香害になりにくいのはうれしいですが、ついつい、プッシュ数が増えています。

そんな時は、ムスカラ フェロジェイをフレグランスの下地にして、ほかのフレグランスをレイヤードしても。

単品でまとう場合よりも香りに奥行きが出て、その作品の良さも磨き上げてくれるような気がします。

レイヤードする作品は、フエギアのラインナップはもちろん、他のメゾンにも合わせられます。

ムスカラ フェロジェイは万能です。

ムスカラ フェロジェイは女性にしか効果がない?

ムスカラ フェロジェイは、フェロモンを模したフレグランスです。

女性が恋をしている時のような、幸せな気分をもたらしてくれる不思議な作用も意図された作品です。

では、恋愛中の女性、特に片思いの女性がまとったら、意中のカレを(あなたに)夢中にさせることができるのでは!?

私はさっそく、フエギアのスタッフさんを訪ねてこの質問を投げかけてみました。

ところが、です。

ムスカラ フェロジェイは、女性にしか効果がないのだとか!

女性がまとえば、周りの女性たちがいい気分になり、人間関係が円滑にまわるかもしれません。

※周りの女性があなたに惚れ込んでしまう、というわけではありません(笑)

男性にとっては、ムスカラ フェロジェイをまとったその人(女性)の肌に香りが馴染み、その人らしい香りとして拡散することで、良い香り・似合っているう香りをまとっているな、といった印象を受けるのだとか。

フェロモン様の効果は、男性がまとった時だけ。ムスカラ フェロジェイをまとった男性が、女性を“酔わせる”ことができるようです。

ですので、ムスカラ フェロジェイをフリーの男性がまとうのはキケンですね!

ムスカラ フェロジェイ開発秘話

これは、フエギアのスタッフさんから伺ったお話しです。

まるで、魔女の秘薬や惚れ薬であるかのようなムスカラ フェロジェイ。

こんな作品を作ってしまった(!)調香師のジュリアンは、一体どんな考えで作り出したのでしょうか?

作品の背景が気になった私は、スタッフさんに疑問をぶつけてみました。

すると、スタッフさんがジュリアンから聞いたという素敵なストーリーを伺うことができたんです。

曰く、「似合っていない香りをまとっている女の子がいた。キミの本来の香りはそんな香りじゃないよ」とジュリアンは考えたのだそう。

香水好きの女性なら、自分に似合う香りをまといたいもの。

そしてできるなら、自分だけの唯一無二の香りに出会いたい、そんな願望を抱いたことがあるはず。

ムスカラ フェロジェイは、肌本来がもっている香りを引き出して、その人自身の香りを立ち上らせてゆくフレグランス。

香水好きにとっては、たまらない作品となることは間違いありません。

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