日本でも人気が高いロンブル ダン ロー。
フランス語で L’Ombre Dans L’Eau (ロンブル ダン ロー)
水に映った影という意味の、ポエティックなネーミングが印象的ですね。
30年前の発売とは思えないくらい、いまでも古びていない香りだと思います。
さっそく詳しくご紹介していきますね。
ロンブル ダン ローはどんな香り?
ロンブル ダン ローの香料は、カシスの葉の樹液、ブルガリアローズの2種類だけが明かされています。
絶妙な2つの組み合わせが、なんとも上品で、育ちの良い若い女性を思わせる雰囲気に仕上がっているのです。
カシスの葉、ブラックカラントの葉、ブルガリアローズ、ブラックカラント、ベルガモット、ムスク、アンバーグリス、マンダリンオレンジ調香師:セルジュ・カルギーヌ(Serge Kalouguine)
カシスの葉の樹液ってどんな香り?
カシスの葉っぱの樹液、だなんて、文字でみるとびっくりしてしまいますね。
独特の青みがある、くせになるグリーンの香りです。
草の香りとも違いますし、針葉樹の葉の、ツンとする香りとも異なります。
濃くツヤのある樹の葉っぱのきりりとした香り、渋みのある赤ワインのような、苦味のある山菜のような・・・静かに香りを探したくなる、独特のグリーンです。
カシスは、果実の香りが香水に使われる場合が多いのですが、ロンブル ダン ローは、葉っぱを採用したところがユニークです。
つけたての「瞬間」は、葉っぱの香りが強く、このカシスの葉のグリーンがメインなのでは??と感じてしまうほど。
ところが、香りが肌の上で温まるにつれ、すぐに葉のグリーンと、ローズの要素が逆転します。
前に出ていた葉の香りが、すっと後ろに下がり、バラの香りの引き立て役に回るのです。
ブルガリアローズってどんなバラ?
使われているお花の香りは、ブルガリアローズ。
世界にその名を知られる、バラの谷があるのが東ヨーロッパのブルガリアです。
そのブルガリアで採れるダマスクローズは、世界で一番香りが良いのだとか。
土壌や日照といった生育条件に恵まれた、ブルガリアのダマスクローズこそ、ブルガリアローズと呼ばれ、最高級のバラの香りとされています。
この香料はたいへん希少なため、価格は上昇傾向にあると言われています。
天候不良など、気象条件によっても収穫量が左右されてしまうのだそうです・・・
希少なブルガリアローズの香りは、しつこくなく、透き通るような上品な甘さだと思います。
ロンブル ダン ローの香りも、うっとりするような、透き通る甘い香りが特徴です。
また、ミドルノート以降にはわずかにカシスの実の部分の香りも感じます。
甘酸っぱく、少し苦味を感じるようなカシスの香りです。
香りの強さは?
ロンブル ダン ロー、しつこさのない、ライトで使いやすい香りとなっています。
まさにロンブル ダン ローのキーワードは、上品なレディ、といったところでしょうか。
ツイードやノーカラーのジャケットといった、かっちりしているけれど女性らしい服装に似合う、オフィス向けの香り。
グリーンが程よく利いてセクシーな香り方はしないので、同性ウケも良いと思います。
もし、強く香らせたい場合は、ロールオンタイプがラインナップに加わっています。
オードトワレやオードパルファンとの併用で、ロンブル ダン ローの香りを一日中まとうことができます。
隠れモテ
つい先程、私はロンブル ダン ローの香りが、実は隠れモテ系の香りなんじゃないか?ってことに気が付きました。
その理由は、
- (1)バラの香水であること
- (2)絶妙な具合にグリーンとフルーティーの要素が入っていること
- (3)静かで落ち着いた香りの変化であること
(1)のブルガリアローズは、女性にも男性にも好かれる美人の香りです。
もし、ロンブル ダン ローがブルガリアローズだけが際立つ香りだったら、恋愛専用の香水だったかもしれません。
けれど、(2)のように、他にはないカシスの葉の香りと、カシスの実をちょっぴり加えたことで、知的で品のある、他にはない香りに仕上がったのだと思います。
セクシー系で攻めてもなびかなかった男性に、さりげなく育ちの良さをアピールしてくれそう。
(3)とした理由は、清楚で静かな香りなので、同性ウケも良いはずです。
おしゃれにも手を抜けない女子会で「良い香りがするね」と言われたい時には、オススメです。
美しさを鼻にかけて自己主張するタイプではないけれど、穏やかな笑顔を絶やさず気配りができる、芯のある美人といった風情です。
自分の話ばかりをするのではなく、周囲への適度な気配りができる人、そんな女性は、男性からも女性からも好かれるもの。
ロンブル ダン ローからは、そんなイメージ像が浮かんできます。
ロンブル ダン ローのラインナップ
オードパルファム
ロンブル ダン ローの香りが好きなら、1本は持っていたいオードパルファム。
香りの変化は比較的、小さく、カシスのグリーンとバラの上品な香りが朝から夕方まで安定して続きます。
グリーンの香りを多めに感じたい方は、お昼休みに付け直しがオススメ。
オードトワレ
天候や季節を選ばず、軽やかで、使いやすいオードトワレ。
ディプティックのほかの香りとの相性も良く、重ね付けでも大活躍の1本です。
ロールオンフレグランスオイル
ロールオンの良いところは、香りを肌に塗るようにまとえるところ。
スプレータイプとは異なり、香りが周囲に広がりすぎないので、付け直しに1本あると便利です。
塗り立てからカシスの葉とバラの香りがまろやかさに混じり合っており、癒やし効果も抜群。
アルコール成分が苦手な方にもオススメ。
ソリッドパフューム
人気のロンブルダンローには、練り香水タイプも。
スプレータイプ、ロールオンと比べると、もっとも控えめな香り方がするタイプです。
自分のためだけに香らせたい時にピッタリ。
寝る前に耳の下に塗れば、ほんのりと優しい香りに包まれて眠ることができます。